フランス車の国内販売が好調だ。日本で主流の外国車といえばドイツ車だが、フランス車は販売台数の伸びが大きく、足元では4割超増えた「シトロエン」をはじめ、「プジョー」「ルノー」も2ケタ成長している。日本車と差別化された個性的なデザインの新型車が人気となっているほか、スポーツ用多目的車(SUV)などの品ぞろえも拡充され、多様な顧客のニーズに応えられる態勢が整ったことが背景にある。

 ■シトロエンは前年度比43・8%増

 日本自動車輸入組合がまとめた平成29年度のブランド別販売台数では、シトロエンが前年度比43・8%増、プジョーが18・6%増、ルノーが13・7%増と軒並み、前年度を大きく上回った。

 もともと販売台数の多いドイツ勢はメルセデス・ベンツが1・4%増、フォルクスワーゲンが0・9%増となっており、フランス車の勢いは際立っている。仏4ブランドの合計でみると、16・1%増の1万9724台だった。

 フランス車の最大の特徴は個性的なデザインだ。昨年7月に全面改良して発売された小型車「シトロエン C3」は、丸みを帯びた形の前モデルから一変。ボンネットの位置を高くしてSUVを想起させる外観にし、上位モデルでは屋根とドアミラーの色が車体と異なる「ツートンカラー」を採用。旅行カバンの取っ手をイメージしたドアノブなど、内装にも独特のデザインを取り入れている。

 プジョー・シトロエン・ジャポン(東京)のクリストフ・プレヴォ社長は、「前モデルの4~5倍の売れ行き。購入動機は『デザイン』が多い」と指摘する。ルノーの拡販を牽引した小型車「トゥインゴ」も、「デザインが好評で、『人と違う車に乗りたい』という顧客の受け皿になっている」(関係者)という。

 世界的に人気となっているSUVでの攻勢も販売を押し上げた。プジョーが昨年9月に発売した新型「5008」は、全面改良でミニバンだった前モデルからSUVに生まれ変わった。

 ■ライフスタイル前面に押し出す

 独有力メーカーなどと比べた日本での知名度の低さを補うため、ルノーはフランスのライフスタイルや文化を前面に出した販促を取り入れてきた。シトロエンから独立した高級車ブランド「DS」も今年、パリのカフェをイメージしてコーヒーを振る舞うイベントを一部の店舗で開催した。

 C3が219万円から、トゥインゴが177万円からと、輸入車の中では比較的、価格が手ごろなこともフランス車人気につながっているようだ。

 存在感を増してきたフランス車だが、電気自動車(EV)などの電動化や自動運転技術の発達が加速し、競争の形も変わりつつある。プジョー・シトロエンのプレヴォ氏は、「多様化に対応できるように、販売店のネットワークを整えたい」と強調した。